のちに大河ドラマとよばれるようになった大型娯楽時代劇の記念すべき第1作。激動の幕末を舞台に、攘夷(じょうい)論に反対しあくまでも開国を主張し、桜田門外で水戸浪士の襲撃をうけて果てた大老・井伊直弼。彼の生涯を数人の女性をからませて描いた。
京都東山南禅寺に小料理屋「小笹」を出す佐々木せいには、二十四歳になる美しい娘千鶴がいた。せいは、日頃親しくする西陣の織元梅垣のぼんとの縁談を望んでいたが、千鶴は何かふっきれぬものを感じていた。そんな時、かつてせいが祇園の舞妓だった頃、せいのファンであった山口が小笹を訪れた。大学教授だという山口を、格好の脱出先とみた千鶴は、母親の愚知を無視して、山口に連れられ上京した。途中、千鶴を連れて箱根に立寄った山口は、千鶴の亡父らと京大三人組と呼ばれた実業家の緒方を紹介した。そこで緒方の秘書長谷川に紹介された千鶴は、洗錬された長谷川に好感をもち、京都脱出が成功であったことを確信した。その晩千鶴のお酌で、学生時代に返った二人は、せいが千鶴の父と結婚した時に、すでにせいのお腹の中には千鶴がおり、三人の内の誰の子供か判らないと冗談まじりに話した。その話は千鶴に秘かな母...
1981年4月25日、テレビ朝日系列の「土曜ワイド劇場」枠(21:02-22:51)にて放映。視聴率14.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
表向きは日本舞踊の師匠である新田は、実は凄腕の殺し屋だった。彼の素姓は、彼と親しい芸者秀子も知らなかった。ある日新田は、石野組幹部荒木から、政財界の秘密メモを握る脱税王朝倉を消してくれと頼まれた。二千万の報酬で仕事を引受けた新田は綿密な調査の末、朝倉の泊るホテルのプールを仕事場と決めた。その日、何も知らずに朝倉と遊んでいた秀子に邪魔されはしたが、新田は針一本の武器で朝倉を殺した。証拠も、目撃者もない、瞬時のことだった。だが、石野組は新田を裏切り、彼を消そうとした。新田は危うくその手を逃れ、報酬だけは自分の手に入れると、再び自分を殺そうとした石野と荒木を始末した。このことから、新田は石野の背後に政界の大物が黒幕として存在することを知った。仕事の報酬である札束の入ったケースを貸しロッカーに預け、自分を利用して殺そうとした者の正体を探るために政治記者に化け...