国王ユン・ホワンによって統治されているトンワン王朝では、反王制活動を続けるモーア族が、大規模なテロ結社“闇”を組織して、政府軍に執拗に抵抗していた。“闇”は国外追放されたゲゲンを首領に、横浜洋上に船を浮かべて、国際賭博、売春、麻薬、などの手段で軍資金を稼ぎ、すでにゲゲンの日本邸宅には一千万ドル入りの金庫が収まっていた。政府軍は、その金が武器にかわるのを恐れて、敏腕な女スパイ・ミーチンを日本に潜入させ、金庫奪取を計画した。一方トンワン王国に派遣されていた国際秘密警察官の北見次郎は、ある夜、刑務所裏の暗がりで混血娘と情事にふけっていた。が、そこへ刑務所を脱走した女、白蘭がころがりこんで来た。白蘭を連れて事務所にかえった北見は、ミーチンらの手で気絶させられ、トンワン王宮に連れてこられた。政府軍の情報長官スリタイとスパイ、ミーチンそれに金庫破りの名人白蘭は、...
原作は山口瞳の第48回直木賞受賞作。原作では主人公は電機メーカーに勤める宣伝部長だが、映画では洋酒メーカーの宣伝部員(山口瞳が当時サントリー宣伝部に勤めていた)に置き換え、主人公が直木賞を受賞するまでを描いている。それまで男性アクションで定評があった岡本喜八が、この1作で戦中派の屈折した心理を見事に捉え、本格的に評価された。ストーリーは、洋酒メーカーの宣伝部員というしがないサラリーマンの“才能のないだらしない奴が一生懸命生きること“の大変さを、自分史や戦後史と重ね合わせながら描く。岡本の演出は、主人公と妻との若い頃のロマンスを、「残菊物語」にたとえて、下駄と靴だけの合成アニメーションで描いたり、父親の事業の盛衰を書き割りのセットやアニメーションで描いたりと自由奔放をきわめる。また主人公の背後にいる同僚をストップモーションにして、カメラの背後でもう一人...
岡本喜八監督によるハチャメチャミュージカル喜劇の傑作。なんといってもこの作品の見所は狂言舞台の如き監獄の中での伊藤雄之助と砂塚秀夫の立ち回りに始まる種々雑多、ありとあらゆる音楽を使いまくる佐藤勝のサントラに尽きるであろう。ストーリーは獄中のヤクザの親分(伊藤雄之助)と爆弾の犯人(砂塚秀夫)が出所するところから始まる。出所したもののどうも勝手が違う、組に帰ればすっかり企業化しており違う社長までいる始末、自分の居場所も無く、やけくそになった伊藤雄之助と砂塚秀夫が「ボールペン爆弾」で社長を木っ端微塵に企てるという支離滅裂な話である。しかも全編ミュージカル調のノリで進められ見ているものはどこまで本気なのかよくわからないという問題作である。
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昔気質のヤクザ組長・大名大作(伊藤雄之助)が3...